大数例の計測を行なう場合, その数値が3〜4桁以上になるときは, 末端位の数は理論的に0〜9まで平等に出現するはずである. 諸種の計測, 計量値すなわち人口数, 温度測定値, 身長, 体重, 血圧などを計測した結果, その値の末端位数の分布が, 理論的分布と一致しているか否かを, x^2-testによって確かめ, 計測の難易度, 精度及び被測定者の管理状態の良否について検討した. 人口動態統計のような計数値では, その末端位値では, 0〜9に平等に分布する. また, 計量数値では, 指示目盛を固定し得るものに比して, 動揺中に測定値を読みとらなければならない場合は, 末端位数はより多く0と5に偏って集まる. とくに体重の測定値では, 被測定者の年令が進むにつれて, 末端位数が0と5に集中する傾向が著しく, 測定に対する計測者および被測定者ゐ安易な態度がうかがわれる.