本研究は身長と体重の相対成長から個成長の発育パターンを類型分類している. 資料は1952年〜1960年(6才〜14才)まで縦断的に測定された男子児童61人の身長と体重の測定値(549組)である. 発育パターンの類型方法は次のとおりである. 個々の縦断的資料について, 縦軸に体重と横軸に身長の対数値をとり6才〜l4才までの9年令点をプロットする. 次に, 各年令点のうち少なくとも連続する3年令点以上を含むアロメトリー直線を求め, 相の数と直線の勾配(a)の関係を基準に類別する. その結果, 7つのパターンに類別できた. そこで, 各パターンに属する全児童のデータを両対数グラフ上にプロットし, 平均相対成長式をreduced major axisによって求める. "単相"か"多相"かの判別については, 各直線の勾配の差, 切片の差, 相関係数及びサンプル数を綜合して判定する. 結果を要約すると次のとおりである. 1. 6才〜14才までの発育過程の中で, 単相パターンは3.45%の児童にみられた. 2. この発育期間中, 1度だけ変移する複相パターンは72.41%の児童にみられ, 変移点は推定されないが2本の平行な相対成長直線で表わすことのできる複相パターンは6.9%の児童にみられた. 3. 2つの変移点が推定され, 3相のアロメトリーを示すパターンは17.24%の児童にみられた.