上肢を挙上させ,或る位置を記憶させて,再びその場所と思われるところに挙上させ,その位置のズレから位置感覚を測定する方法がある.記憶させる位置を躯幹の側方45°,55°,67.5°,90°,112.5°, 125°及び135°に指定した場合に,それぞれの成績は平均6.1°,4.8°,4.9°,3.9°,4.3°,3.6°及び4.8°であつた.文献によれば, この指定位置が自由であつたり,明記されてないものがあるが,指定位置によってその成績が異なるので,この実験の際には指定位置を明らかにする必要がある.また,指定位置の度数が小さい程,その位置より高く挙上しやすく,135°の指定位置では逆にその位置より低く挙上される場合が多かつた.左,右上肢による成績を比較した結果,利き腕と上肢側方挙上による位置感覚の関連性はみられなかつた.