九州地区の体育大会で優秀な成績をおさめた高校3年生の男子運動選手を対象にして形態, 機能, パーソナリティを測定し, 運動経験と発育・発達の関係を明らかにした.おもな結果は, つぎのとおりである. 1. 運動経験年数と顕著な関係が認められる種目は形態では量育, 周育, 幅育および身体の充実度であった. 機能では筋力, 敏しょう性, 柔軟性(伏臥上体そらし), 走力, 跳力であった. パーソナリティでは抑うつ性, 劣等感, 支配性, 社会的外向の4尺度であった. 2. 運動経験年数と発育・発達の関係をみると, 運動開始年令が8〜11才で経験年数が7〜10年の選手は開始年令が14才前後で経験年数が4年前後の選手に比較して形態の量育, 幅育, 周育および身体の充実度や筋力の発達では優れているが, 走力, 跳力, 敏しょう性, では劣った. パーソナリティでは抑うつ性大, 劣等感大, 支配性小, 社会的内向の傾向が認められた.