高校生女子のための基礎運動能力の推定とその構成要因の貢献度をみることを目的とし, 従来より運動能力一般の諸領域を測定する項目として適当とされてきたものより29項目を選び, 測定結果をもとに因子分析を適用し12種類の組テストを作成した. しかし, 実用性ならびに妥当性という観点からみると, 砲丸投(X_1), 立巾跳(X_2), 走巾跳(X_3), シャトル走(X_4), 50m走(X_5), 連続片足跳(X_6)の測定項目からなる組テストが最も良いと思われる. この項目から推定される基礎運動能力因子の推定式として FMAS=0.014X_1+0.08X_2+0.06X_3-2.4X_4-2.5X_5+0.15X_6+42を得た. そして, この公式の妥当性を検討するために運動部員に所属するものと, そうでない者との間でBisereal Correlationならびに両群の平均値α差を検討し, その結果, 基礎運動能力の優劣の弁別に役立つことが分った. 次に, 基礎運動能力に対する, その構成要因の貢献量を求めると, 今回の資料及び参考のための男子の資料についても, 筋力, パワー, 敏捷性及びスピードの要因が大きく貢献することがわかった.