インターネットを前提とした視聴サービスが登場し,中でも空間に存在する視聴対象を三次元的に解釈するオブジェクトベースの視聴サービスの重要性が増している.そこで著者らは2014年からSoftware Defined Media (SDM)コンソーシアムを設立し,オブジェクトベースのディジタルメディアと,インターネットを前提とした視聴空間の研究を続けてきた.その中で,Internet of Things (IoT)を利用したスマートビルディングと相互運用を目指して,視聴サービスのためのビル設備を仮想化するSDMアーキテクチャを提案している.SDMアーキテクチャに基づき,試作システムを構築し,デモンストレーション展示ハッカソン開催を行った.さらに,試作システムを利用したアプリケーション開発と収録データのデータベース化を行った.プラットフォーム上で動作するアプリケーションの遅延を測定し,多くのインタラクティブなアプリケーションを支援しうるリアルタイム性を確認した.また,試作システムを利用したインタラクティブなアプリケーションを被験者に体験してもらい,主観実験によって開発者の演出意図を高水準で満たせたことを示した.