本研究は初潮発現時を中心にその前後の発育過程を考察したものである. 標本は女子大学1回生既初潮者235名. グループ構成は初潮年齢により5群とした. 身長, 体重は4月の計測値を用い, 比例部分の法則により初潮時を推定した. 本研究はすべてその推定値によるものである. 身長, 体重の発育過程においてG0, G1群間はパターンに差がない. 他のグループ間に有意差のなくなるのは身長14〜15歳, 体重17〜18歳以後とみられる. 最大発育増加は身長では初潮の3〜2年前, 体重は2〜0年前にあらわれ, 増加量の減少は初潮後に顕著である. ローレル指数は11歳頃まで減少傾向を, それ以後16歳頃まで増加傾向を示す. 身長, 体重の相対発育という観点からアロメトリーのパターンによって考察すると, 直線の勾配が変化する点は最大増加を示す時期ではなく, 発育増加が減少傾向になってからあらわれるものと推察した.