本研究は, Fleishman (1953-1960),著者ら(1968)の研究結果にもとづいて, 知覚一連勤学習過程の初期および後期における,運動因子と非運動因子の相対的貢献の度合を検討することを主な目的として,実験上においては,手動式スタイラスを使ったpursuit rotor taskを,実験IIにおいては,両手協応課題をそれぞれpractice taskとして用い,また知能検査の下位テストを中心としたreference testをとりあげた.得られたdataにprincipal component analysisを適用した結果, (1)一般知能因子は練習の全段階にわたって寄与していない.(2)学習課題に特有な因子は,練習の全段階に負荷がみられたが,初期には,より低い負荷量がみられた.(3)非連動因子(主に知覚的因子)は,練習初期に有意な負荷がみられた.以上の結果は,主としてこの種の学習には知的能力の参与が認められない.非運動因予の関与が低減するにともない,一定のスキルパターンが形成されていくものとして考察された.