ゴマ「まるひめ」およびナタネ「ななはるか」の圧搾油の抗酸化能をL-ORAC法およびH-ORAC法で評価するために,油脂類の高速溶媒抽出装置を用いた抽出法およびL-ORAC法に改変を加えた.抽出方法については添加回収率が許容範囲内であること,L-ORAC法についてはトコフェロール類で測定値への影響が小さいことを確認した.ゴマ「まるひめ」の圧搾油ではL-ORACおよびH-ORACの平均値は,それぞれ2926,130μmol-TE/100gであった.ナタネ「ななはるか」の圧搾油では,L-ORACおよびH-ORACの平均値は,それぞれ552,87μmol-TE/100gであり,いずれの圧搾油でもL-ORACがH-ORACより高かった.L-ORACへのトコフェロール類の寄与率は「まるひめ」圧搾油では7〜22%であり,「ななはるか」圧搾油では24〜55%であることがわかった.本試験で供試した圧搾油ではL-ORACへのトコフェロール類以外の抗酸化成分の関与が大きいことが示された.