VMWは,食味や消費エネルギーの面ではMWよりも劣るものの,高い成分残存率を示した.一方で,MWは,食味の良いトマトピューレの製造と消費エネルギーの削減が期待されることから,トマトピューレの濃縮法の新技術となりうると考えられた.実際の現場では,濃縮工程後に殺菌処理などの2次加工処理が行われる.植村ら27) は,交流高電界処理は従来の加熱処理よりも短い加熱時間で殺菌効果を示し,かつ熱に弱い食品材料中の香気成分や栄養成分の多くを保持することが可能であると報告している.このような方法とVMW処理を組み合わせることにより,高機能性を有するトマトピューレの製造が期待される.今後は,2次加工処理も含めた濃縮工程に伴う機能性成分の変化について,反応速度論的解析28) 29) などの手法により明らかにすることが望まれる.