広い角度範囲で観察可能なホログラフィックディスプレイの実現に向けて, 画素ピッチが1μmの液晶位相変調素子において生じる隣接画素の影響の液晶配向方向依存性について検討を行った. この結果, 液晶の配向方向と平行に並んだ画素に比べて, 垂直方向に並ぶ画素からのもれ電界と液晶の弾性力による配向の歪みが大きいことを明らかにした. これらの影響を抑える誘電体シールド壁構造の効果を検証するため, 格子壁構造を単純化したモデルとして配向方向に平行なストライプ形状の壁構造を検討した. この結果, 配向方向に垂直な方位にある隣接画素の影響を抑制し, 微小画素内の位相分布および強度分布の均一性を大幅に改善できることを示した.