1.ハマナタマメ(マメ科)の根,スイセン(ヒガンバナ科)の鱗茎,ハマスゲ(カヤツリグサ科)の塊茎,キエビネ(ラン科)の根茎より澱粉を抽出精製した.澱粉の収率はそれぞれの新鮮組織に対し,約7,9,14および13%であった. 2.各澱粉について,水分,蛋白質およびリンの分析,顕微鏡観察,粒径分布,X線回折,ヨウ素呈色,生澱粉のグルコアミラーゼによる消化,膨潤力,溶解度,アミログラフィーなどの諸項目につき測定し,それぞれの澱粉の特性を考察した. 3.ハマナタマメ澱粉は小粒であるが白度は高く,膨潤力も高かった.スイセン澱粉は60℃ですでに膨潤や溶解がみられた.ハマスゲ澱粉は複雑な形の粒があり,糊化に関する性質はサツマイモ澱粉に近かった.またキエビネ澱粉は薄形で,膨潤力が低くアミログラムの粘度も最も低かった.