Aspergillussp.K-27菌の生澱粉分解酵素を用いて,実用化の見地から,高濃度の生コーンスターチの糖化の可能性を検討した.　基質濃度を上げると消化率は低下し,グルコース生成率も低下した.一方,酵素濃度を上げると消化率は上昇するが,グルコース生成率の低下はより著しかった.　基質濃度,酵素濃度を一定にして生澱粉の消化性ならびに糖化率に影響を及ぼす併用酵素の検討を行ったところ,α-アミラーゼは消化率を増加させ,プルラナーゼがグルコース生成率を増加させた.その添加濃度を検討したところ,α-アミラーゼは少量で効果があり,逆に添加しすぎるとグルコース生成率は低下した.一方,プルラナーゼは同様に少量で効果があったが,酵素濃度を高くするほどグルコース生成率が増加した.　以上の結果から,その他の酵素も併せて最適の糖化条件の組合せを検討したところ,α-アミラーゼ;114U/gとプルラナーゼ;8.2U/9の組合せ(消化率79.5%,グルコース生成率94.5%),あるいはそれにオリゴー1,6-グルコシダーゼ;1.5U/gを加えた組合せ(消化率81.3%,グルコース生成率94.4%)が最も良い結果を与えた.　残存澱粉の再糖化およびその炉過性への影響について検討したところ,叙方とも工業的にはなんら問題はない結果を得た.