本研究では,幼児の各気質特徴と関連する遊びを明らかにし,それらの遊び頻度が養育者の遊びに対する対処可能感を経由して,育児不安と育児満足へ及ぼす影響を検討した。分析の結果,“否定的感情反応”“外向性”“注意の転導性”という気質特徴に関連する遊びとは,“大人との相互作用遊び”であり,この遊びの頻度の高さは,養育者の遊び全般における対処可能感を高め,育児不安を低下させ育児満足を高めていた。これら3つの気質に共通して“大人との相互作用遊び”頻度が重要であると考えられたが,そのメカニズムは異なることが推測された。“神経質”と負の関連を示した“感覚運動遊び”は,子どもの気質特徴には応じていないと考えられるものの,その頻度を高めることによって養育者の遊び全般における対処可能感を経由して,育児満足を高められる可能性が示された。“規則性”“順応性”については,遊び頻度の媒介効果は示されなかった。