ドクササコの毒性成分であるアクロメリン酸A, BのLC-MSによる迅速な分析法を検討した.キノコ試料から50%(v/v)メタノール水溶液を用いて2回抽出を行い定容後,シリンジフィルターでろ過したものを,マルチモードODSカラムを用いLC-MSで測定した.シイタケにアクロメリン酸A, Bを2.5μg/g相当添加したときの回収率はそれぞれ93%, 74%であった.本法を用いて兵庫県内で発生した中毒事例の喫食残品中のキノコを分析した結果,アクロメリン酸A, Bをそれぞれ2.0μg/g, 1.4μg/g検出したほか,クリチジンと推定される物質も確認できた.