近年, 我が国におけるスキーは冬の代表的なレクリエーションスポーツとして大きな地位を占めている.しかし, スキー人口が増えるにつれてスキーによる事故が後を絶たず, その種類, 原因も複雑になってきている.このような事故を防止するためには, 過去の事故の状況を調べることが必要となってくる.そこでここでは, ゲレンデにおけるスキーヤの動きを計算機を用いて画像処理的に解析した.その方法は, まずスキーヤの原画像を強調処理した後, 可変閾値法で2値化し, 4つのパターンでスキーヤを追跡し, スキーヤの形状の変化で衝突による転倒場面の抽出を行った.その結果, 約91%のスキーヤの抽出, 約67%のスキーヤの追跡, ならびに100%の衝突場面の抽出を行うことができた.