各種のタンパク質源を酵素消化することにより調味液を製造する技術はこれまでに種々の検討がなされている。タンパク質の酵素消化技術は,反応条件が穏和であり,反応副産物が少なく優れた品質の製品を製造できることから,調味液製造において主要な技術となっている。さらに近年では,微生物発酵により生理機能成分を生成し,高付加価値の製品を目指した製造技術の開発が進められている。本解説では,著者らが収集した乳酸菌の保存菌株からγ-アミノ酪酸(GABA)を効率的に生産する菌株を検索し,得られた菌株についてGABA生成条件を検討するとともに鶏肉発酵調味液の開発に向けて実施された試験研究についてわかりやすく解説していただいた。