炊飯もち米および炊飯うるち米に麦芽溶出液を添加して糖化反応を行わせると,両者ともに,反応初期段階からでん粉の分解が進み,マルトースが多量に蓄積した。ただし,最終糖化産物量は,もち米のほうがうるち米よりも多い状態にあった。炊飯うるち米の糖化産物量が炊飯もち米よりも少なくなったのは,炊飯 (α化) した米でん粉はアミロペクチンのみで構成されるもち米でん粉よりもアミロースを含むうるち米でん粉のほうが老化されやすいので,うるち米でん粉が糖化され難くなっていることにあると予測した。
うるち米ではなくもち米を「麦芽水あめ」の糖化原料米としてきたのは,炊飯後のもち米が糖化のされやすさを維持するためであると思われた。