本稿では,産総研の研究成果であるとともに民間企業による実用化(事業化)が進展しつつある単層カーボンナノチューブの製造法等の事例を基に,「橋渡し」の成功要因を抽出し,それをモデル化したものである.ここでは,技術の質に関する評価については,民間企業が開発し,広く使われている特許の注目度に関する指標「パテントスコア」等を用いた上で,「橋渡し」の成功要因を「特定パートナー企業との間に,深く,継続かつ集中した連携活動が存在すること」と分析し,それを,著者が提唱する「(1)特定企業シェア」,「(2)長期継続連携度」,「(3)特定期間集中度」という3つの指標の積を用いて,定量的かつ一般化して評価することが可能かつ有効であることを示した.