実践的教育手法としてProject-Based Learning(以下PBL)が注目されており,情報系の学部や研究科においてもシステム開発を中心としたPBLが広く行われてきている.身に付けるべき技術が多岐にわたる場合,1回のPBL受講で習得できることに限りがあることから,複数回のPBL受講が望ましいが,限られた教育期間の中で複数の受講が難しい場合もある.そこで我々は個々の学生のPBL受講回数不足を補完するために,チーム開発を模擬的に個人学習で学ぶ自習教材を開発した.実際にこの教材を用いた教育試行を行い,開発した教材を受講した後に通常のPBLを受講した学生と,通常のPBLを2回受講した学生との比較分析を行い,通常のPBL受講に比べると不十分な点もあるものの,スキル習得に一定の効果が見られることが分かった.