グルテンフリー米粉食パンに加える β -アミラーゼの添加量を変化させ,食パンの部位による物性および経時的変化に及ぼす影響について検討した.その結果,以下のことが明らかとなった.
(1)食パンの比容積は β -アミラーゼを粉の0.05∼0.1%添加することで有意に高くなり,この値は米粉に15%グルテンを添加した米粉食パンの良好な比容積に対応するものであった.
(2) β -アミラーゼを添加した食パンの各部位の焼成2日後のクラムの硬さは,いずれの部位についても無添加に比べ顕著に軟らかく保たれていた.
(3) β -アミラーゼを粉の0.05∼0.1%添加することは,食パンの凝集性や付着性を経時的に安定に保持することに寄与し,なかでも0.05%添加が適切量とみなされた.
(4)食パンの部位においては,下2層がいずれの物性に対しても安定した傾向を示した.