味噌に含まれる酵素フォスファターゼは,添加した出汁の成分を分解するため出汁入り味噌は加熱処理によりフォスファターゼを失活している.ただし,従来の加熱処理で味噌の中心部の温度をフォスファターゼの失活温度まで昇温するのに,加熱表面を長時間加熱するため,表面の熱変性が問題である.本研究では,連続通電加熱により味噌に含まれる酵素フォスフォターゼを短時間かつ連続的に失活することを試みた.その結果,連続通電加熱処理では加熱温度の上昇に従って酵素活性が低下し,65℃まで加熱したときに残存活性率が10%以下となった.75℃で残存活性率が10%以下となった従来の加熱に比べて,通電加熱処理では10℃低い温度で酵素を失活できることが分かった.