1)対照酒と比べて樽酒は,食品によってもたらされる口腔内の脂っこさを低減させる効果が高いことが,官能試験により明らかになった。 2)この要因の一つとして,対照酒に比べて樽酒は油脂との間の界面張力が低く,油脂と乳化しやすいため,口腔内の油が洗い流されやすくなっていることが考えられる。 3)樽酒と油脂の間の界面張力の低さは杉樽由来成分によってもたらされていると考えられたが,主要なセスキテルペン類やフェルラ酸にはそのような効果は認められなかった。