調理過程でのケルセチン含有量および抗酸化能の変動を,ケルセチン高含有品種である「クエルゴールド」と北海道で広く栽培されている「北もみじ2000」の間で比較した.ソテーによるケルセチン含有量·抗酸化能の有意な変動は見られず,いずれも「クエルゴールド」が有意に高く推移した.また,タマネギソテーを材料として,タマネギを多く摂取可能なレシピに従って2種の調理品を作成し,そのケルセチン含有量を比較した.その結果,ケルセチン含有量の多い「クエルゴールド」を材料として用いると,「北もみじ2000」を用いた場合と比較して調理品に含まれるケルセチンが多くなっており,より多くのケルセチンを調理品から摂取可能になるものと考えられた.