宇都宮大学における共同研究の実施状況を明らかにするために,2004~2013年度の共同研究の契約情報を整理・分析し,共同研究の相手先の地理的分布とその変化を調査した.その結果,以下のことが明らかとなった. ①共同研究の相手先は,大企業が約51%,中小企業が約39%,企業以外が約10%と大企業の割合が最も大きく,大企業や中小企業を相手先とする共同研究が多く行われていること. ②大企業を相手先とする共同研究では,関東地方,栃木県,近畿地方,東海地方の順に多く,これらの3地方と1県で全体の約98%を占めていること. ③関東地方に位置する大企業との共同研究件数が増加傾向にあること. ④中小企業を相手先とする共同研究では,栃木県,関東地方がほとんどであり,この2つで約96%を占めていること. ⑤中小企業を相手先とする共同研究件数は,調査期間の前半5年と後半5年を比較すると,栃木県,関東地方の両方で増加していること. ⑥企業以外を相手先とする共同研究は,栃木県内に位置する機関が約83%を占めること.