金沢大学では,資料館の所蔵資料のデータベース機能とWeb上での仮想展示機能を有したリポジトリ「金沢大学資料館ヴァーチャル・ミュージアム」の実現に向けて取り組み,2011年度に一般公開を開始した.金沢大学資料館ヴァーチャル・ミュージアムは,大学が所蔵する多様な非文献資料のリポジトリとして先進的な成果を挙げてきた.また,本事業に端を発した学術資源リポジトリ協議会は,機関横断的なリポジトリの構築を試みるなど,大学の枠を超えて展開している.順調に発展してきた金沢大学資料館ヴァ―チャル・ミュージアムは,いま岐路に立たされている.本報告では,今後のあり方を考えるため,金沢大学資料館ヴァ―チャル・ミュージアムの開発思想と構築の歩みを振り返る.