美術館・博物館での資料利活用の一つとしてミュージアムグッズ(以下:M グッズ)が挙げられる。しかし、現在販売されているM グッズのほとんどは、資料(作品含む)についての情報掲載が少なく、M グッズから資料について詳細情報を得る手段は用意されていない。一方資料情報の公開については、詳細な資料データベースを持つ館から、目録が十分整えられていない館まで様々で、一定のレベルでの資料情報の公開を各館が行うのはまだ難しい。 そこで我々はM グッズを通して資料情報を得る試みを行った。それにより資料情報の電子化公開が難しかった機関からの情報公開を実現した。M グッズと資料情報との関連付けはQR コードを用いた。公開される資料情報によっては、M グッズを通してのミュージアムコミュニケーションが可能となる。これらはM グッズに博物館における新たな役割を持たすものである。本発表では、開発したM グッズの概要と今後の可能性について述べる。