本論文では,プログラミング演習時に収集したソースコードのスナップショットを分析することで,受講生がいつ,どのような箇所で行き詰まっていたのかを特定する手法を提案する.提案手法では,受講生のある時点におけるソースコードと,その受講生が提出したソースコードの差分を求めることで,受講生の演習における作業量を定量化する.そして,定量化した作業量にもとづいて受講生の行き詰まり箇所を特定し講師へ提示する.提案手法を実際のプログラミング演習において収集したスナップショットに適用することで,37名の受講者のスナップショットから46件の行き詰まり箇所を特定することができた.また,適用結果からは受講生のプログラミング言語の仕様に対する理解不足,課題におけるアルゴリズムの理解不足,課題に対する誤解といった原因の行き詰まりを確認することができた.プログラミング演習時に受講生のソースコードを記録し,提案手法を用いた分析を行うことで,講師は受講生に対して適切なフィードバックを行える.