サービスラーニングを取り入れた授業科目において,学生がどのような活動をおこなったかを質的調査・分析法を使って検証した.6グループの活動を参与観察し,9グループにグループインタビューをおこなった.分析方法として質的データ分析法のひとつである事例 - コードマトリクスを援用し,各グループの活動の傾向を事例として抽出した.さらに各事例の個別具体性を明らかにするため,事例研究の手法を用いてグループごとの活動の詳細を記述した.分析の結果,15種類の事例を抽出し,「計画」「実施」「コミュニケーション」「振り返り」の4種類のカテゴリーに分類した.調査対象となったすべてのグループがこれら4つすべてのカテゴリーに関わる発言をしていたことから,すべてのグループが継続的な業務の計画と改善の過程を経験したと考えられる.活動を肯定的に捉えていたグループは各カテゴリーの事例を満遍なく経験していた一方,活動を否定的に捉えていたグループは特定のカテゴリーの事例が実践できていなかったことが分かった.調査対象としたグループごとの活動内容の違いを踏まえ,自己評価のための指標として3段階の評価尺度があるルーブリック(評価基準)を作成した.