本研究では,‘ぽろたん’ の冷凍果実を用いた実割れの少ない甘露煮の製造方法を見いだすことを目標とすべく,甘露煮の各製造工程の条件の違いが実割れ率に及ぼす影響について検討した.また,甘露煮のさらなる高品質化のために,製造工程が色調,物性に及ぼす影響についても検討した.その結果,実割れ率を少なくする方法は,茹で処理で剥皮を行い,ミョウバン溶液に10分間以上浸漬したのち,85℃で湯煮および砂糖液煮を行うのが最適と判断された.また,最大応力に影響するのは,剥皮方法,解凍方法,ミョウバン溶液の浸漬時間,加熱温度で,色調に影響するのは剥皮方法,解凍方法,ミョウバン溶液の浸漬時間であることが明らかになった.