基準物質と分析対象物質の混合試料を調製し,1H-qNMRとHPLC/PDAの両方に付し,PDA検出器における両者の応答比を,1H-qNMRから求めた物質量比で補正し,正確な相対モル感度( RMS )を算出する方法を検討した.メチルパラベン(MPB)を基準物質,ヘスペリジン(Hes)とモノグルコシルヘスペリジン(MGHes)を分析対象として RMS 1.25(Hes283nm/MPB255nm)および1.32(MGHes283nm/MPB255nm)を算出した.さらに,食品中のHesとMGHesの定量分析を,MPBを内標準物質としてRMSを適用したHPLC/PDAと従来法である絶対検量線法で実施した結果,両手法から得られる定量値の差はHesで2.0%以下,MGHesで3.5%以下であった