(1)我々が考案した水蒸気蒸留装置と重量法を組合わせた簡単で迅速なアルコール分の分析法についてAOACの基準に従い,均質の試料6種類(酒母,もろみ,清酒)を用いて室間共同試験(参加試験室11)を行い,併行精度及び室間再現精度の調査を行った。 (2)得られた測定値について統計処理を行った結果,併行相対標準偏差RSDrは0.13~0.35(%),併行許容差rは0.06~0.13%(v/v),室間再現相対標準偏差RSDRは0.20~0.38(%),室間再現許容差Rは0.08~0.15%(v/v)の範囲であった。RSDRとのPRSDR比であるHORRATが,0.08~0.14であり,得られた測定値のばらつきは極めて小さいことが分かった。 (3)以上のことから,本方法は極めて併行精度及び室間再現精度に優れた分析法であり,本方法の精度について妥当性に問題がないことが確認された。