1 MRS培地またはα米・麹培地に亜硝酸を添加して乳酸菌( L. sakei または Leuc. mesenteroides )を培養したところ,培地pHの低下と連動して亜硝酸が消失することを確認した。 2 亜硝酸の消失は低pH条件下におけるアミノ基とのジアゾ化反応によることを確認した。培地及び緩衝液中の亜硝酸濃度の変化は1次反応モデルで近似することができ,その消失速度はpH5以上ではきわめて小さい値であったがpHの低下とともに顕著に増大した。 3 生もと系酒母で硝酸還元菌が死滅した後に残存した亜硝酸が消失する現象には,低pH条件における亜硝酸とアミノ化合物のジアゾ化反応が関与すると推定した。