本研究によりオウトウの最適包装設計手法の有効性について示すことができた。オウトウのMA包装試験を行うにあたり, 試料の酸素消費速度と使用する包装フィルムの酸素透過度をあらかじめ測定することにより包装条件の設定を行い, その結果, ほぼ設計どおりの包装内酸素濃度を得ることができた。この方法により, オウトウをプラスチックフィルムで包装し, 貯蔵試験を行う場合, やみくもに種々のフィルムで包装してみるというような必要がなく, 事前に包装条件を想定しておくことが可能となった。 オウトウをフィルム包装後, 20℃で貯蔵し, 包装内ガス組成, 糖酸度などを測定した。オウトウ100gに対して, 厚さ18μmおよび36μm, 10×10cmサイズのLDPE袋で包装した場合, 包装内酸素濃度が1-2, 7-9%となり, 果柄の萎れに関する評価で良好な結果が得られた。