消化法により島根県内の各酒造場で製造された大吟醸麹について分析を行ったが,麹力価の平均値や値の分布が酒造年度毎に変化した。登熟期の気温と原料米の溶解性に密接な関係があることから,同様に登熟期の気温と消化法の分析値に相関性があるのか検討し,以下の結果が得られた。 1.吟醸麹を消化法で分析して求めた総合力価値は,登熟期の平均気温が高いと低く,平均気温が低いと高くなり,登熟期平均気温と比較的高い負の相関を示した。また真のアミノ酸度とも,負の相関がみられた。 2.吟醸麹の酵素を測定し,登熟期の気温と相関を求めたが,酸性カルボキシペプチダーゼと負の相関がみられ,真のアミノ酸度と同様の傾向となった。