(1)清酒醸造において,精米は製成酒の酒質に影響を与える重要な工程の一つである。特に,大吟醸や吟醸酒などの高品質清酒醸造に必須な高度精白米のための精米では,一般的に原形精米が求められる。精米プログラムの変動因子は,ロールの回転数,排出口の圧力,そして使用電流値であるが,今回,ロールの回転数のみを変動因子とし,二つのProgram(P1及びP2)を設定し,両者の比較を行った。その結果,P2は,P1と比較し白米の長さ方向の削減率が小さく(白米の長さが大きい),一方,厚さ方向の削減率は大きいことから(白米の厚さが小さい),原形精米に近い精米プログラムであることが確認された。 (2)使用した越淡麗及びたかね錦の精米特性の比較では,越淡麗が砕粒歩合及び無効精米歩合が低く,かつ,原形精米に近い白米を得た。 (3)玄米と白米の形状測定による斎藤らの原形精米評価法は,自家精米のみならず委託精米での白米の品質管理(白米取引上の規格評価など)に活用可能な有効手段であると考えられた。