泡盛及びそれ以外の焼酎では,1-オクテン-3-オールとサリチル酸メチルの含量が大きく異なっており,特に1-オクテン-3-オールは泡盛に多い成分である。黒麹全仕込み(通常の泡盛の仕込み),白麹全仕込み(白麹による泡盛仕込み),及び白麹による焼酎仕込みにより製成した焼酎を分析したところ,黒麹全仕込み(通常の泡盛の仕込み)で1-オクテン-3-オールが高くなったことから,黒麹の関与が考えられた。また,蒸留での挙動を調べたところ,低沸点であるカプロン酸エチルと同様の傾向が認められたことから,常圧蒸留だけでなく減圧蒸留でも比較的多い理由は,その揮発性が反映していると推定された。