本論文では,個体が複数の木を持てるように拡張した調整ノード付きGP(GPCN)において,進化の過程で木の数を自動決定する手法を提案している.GPCNは,個体が複数の木を持つためにあらかじめ個体の木の数と各木の参照回数を表すプロセス数Pを決める必要があった.プロセス数については,先行研究において進化の過程で問題に適したプロセス数を獲得することが可能となっている.本論文では,木の数を自動決定するために,木の数を考慮した適合度への変更,個体の突然変異とエージェント問題のためのセマンティクスの提案を行う.木の数を考慮した適合度は,個体をシンプルにするために木の数が少ない個体ほど有利になるような適合度への変更である.個体の突然変異は,様々な木の数を探索するために提案する手法であり,木を追加する操作と削除する操作からなる.その中の操作の1つであるセマンティクスを用いた木の削除を実現するために,エージェント問題のためのセマンティクスを提案している.これらを用いて,問題ごとに個体の木の数Mと各木のプロセス数Pを求める実験を行い,求められた値を初期値としたGPCNと従来の人手で決めた値を初期値としたGPCNとを比較して,提案手法の有効性を確かめる.