運動器機能向上単独プログラムと運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムによる健康・生活状況, 運動器機能, 栄養の改善効果について検討することを目的とした.
調査対象者は地域在住, 虚弱な高齢者629名 (運動器機能向上プログラム327名, 運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラム302名) である. 両プログラムは3か月間にわたり, 週1回2時間, 計12回行った. プログラム前後に健康・生活状況, 運動器機能, 栄養について調査を行った.
主観的健康観や意欲的な生活の状況を調べた健康・生活状況は両プログラムともに改善した. また, 運動器機能の男女の開眼片足立ち, 女性のTimed Up & Go Testは両プログラムともに改善した. 栄養については, 運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムは食生活得点が改善したが, 運動器機能向上プログラムは変化がみられなかった.
運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムと運動器機能向上プログラムにより, 健康・生活状況, 運動器機能が改善した. さらに運動器機能向上・栄養改善・口腔機能向上の複合プログラムは食生活も改善し, 介護予防の効果が高いことが明らかになった.