市販されている静電容量方式のタッチサーフェスの多くは,タッチ/非タッチの離散的な段階のみをタッチ入力の状態として識別する.これに対し我々はタッチ入力の状態を連続的に扱い,インタラクションする手法を提案する.指などの接地された導電体とタッチサーフェスとの間に何らかのオブジェクトを介在させると,直接タッチと比較してタッチサーフェスが計測するインピーダンス値が変化する.提案手法は,介在させるオブジェクトの電気的特性(抵抗率)を利用し,オブジェクトの高さおよびオブジェクト上のタッチ位置識別,さらには光や圧力のセンシングを可能とする.また,提案手法はOSに変更を加えることなく,市販のタッチサーフェスにて動作する実効的な入力手法である.本論文では提案手法の実現可能性を調査し,その結果をもとに作成した,タッチ入力のモダリティ拡張を可能とする13種類の応用例について報告する.