データグローブを構築するための,導電繊維が編み込まれた手袋を用いて手形状を認識する手法を示す.提案手法は,手形状として指の曲げおよび指同士の接触を推定する.指の曲げ推定には,指を曲げた際に手袋表面の導電繊維同士が短絡することによって電気抵抗が減少する現象を用いる.また,指同士の接触推定には,各指ごとに異なる周波数の交流信号を印加し,指同士が接触した際に信号が伝搬する現象を用いる.我々は実験により,指の関節の角度と導電繊維の抵抗値の関係を明らかにした.さらに導電繊維の抵抗値と曲げセンサの抵抗値を比較した.また,それぞれ異なる周波数の交流信号を印加した人指し指–小指のどの指骨に親指が接触したかを機械学習を用いて推定し,実験により触れた位置の推定精度が80.5%であることを明らかにした.さらに電源的に独立した手袋同士の接触についても検証し,信号が伝搬されることを確認した.