ビート( Beta vulgaris L. var. saccharifera Alefeld)種子に含まれる2種類のフェノール性アミド化合物( N - trans -フェルロイル-3- O -メチルドーパミン, N - trans -フェルロイルチラミン)の生理作用について検討した.その結果,これらのアミド化合物は3T3-L1脂肪細胞でのトリグリセリド蓄積や in vitro での膵リパーゼ活性を阻害した.特に N - trans -フェルロイルチラミンは N - trans -フェルロイル-3- O -メチルドーパミンに比べてより強いトリグリセリド蓄積抑制作用と持続性を示した.さらに本研究により, N - trans -フェルロイル-3- O -メチルドーパミンのトリグリセリド蓄積抑制作用が初めて明らかとなった.本研究の結果から,ビート種子由来フェノール性アミド化合物には膵リパーゼ活性阻害や脂肪細胞へのトリグリセリド蓄積抑制作用があることが明らかとなった.