近年,著者らはコクヌストモドキのミトコンドリア遺伝子の多型性について報告した.そこで,本報では,SNPを含むMGB TaqMan probeを用いるリアルタイムPCRにより,日本の本州で採集されたコクヌストモドキを本州以外の地域で採集されたものと容易に識別する方法を確立した.なお,本法はDNA断片化が予測される室温で5か月保存されたサンプルや加熱,加圧,ガンマ線照射によりDNAに損傷を与えたサンプルにも適用可能であった.