多雪地域において森林を対象に調査研究を行ったり,森林の取り扱いを判断したりする場合,積雪環境に関する情報はきわめて重要な要素である。平均年最深積雪については気象庁によってメッシュ平年値2010としてその分布が提供されているが,実際の観測値と比較した場合,標高の高い地域での推定値は明らかに過小となっていた。一方,気温が低い条件下では降雪として供給される降水量が多くなるとともに融雪も発生しにくく,結果として年最深積雪は大きくなると考えられた。そこで,メッシュ平年値2010の平均気温と降水量の値から平均年最深積雪を推定するモデルを作成し,その精度について検討した結果,観測値がよく再現された。