目的: 情報提供によるメタボリックシンドローム(以下MetS)発現抑制の取組に対する効果検証の一助として,我々の観察研究からMetS発現に対する寄与の大きかった早食いに焦点を当てた「早食い防止パンフレット」を特定健診時に配布し,肥満やMetS発現抑制効果を検討する. 方法: 2013年度職員健診を受診したC自治体職員に対し,咀嚼支援マニュアルを基に作成した「早食い防止パンフレット」を特定健診時に配付し,パンフレット配付前と配付後のMetSおよび肥満(BMI 25 kg/m2 以上)発現抑制効果を性別に求めた. 結果: 肥満発現抑制について,女性では効果が認められた.(OR: 0.52,95%CI: 0.32–0.83).男性では効果が認められなかった(OR: 0.87,95%CI: 0.70–1.1).MetS発現抑制効果について,男性では効果が認められた(OR: 0.84,95%CI: 0.70–1.0).女性では効果が認められなかった(OR: 1.5,95%CI: 0.88–2.4). 結語: パンフレットの配付後に,男性はMetS発現抑制効果を認め,女性は肥満発現抑制効果を認めた.