黒糖焼酎及びラム酒の84種類の揮発性成分間の相関解析を行った。黒糖焼酎では,脂肪酸エステルと相関性を示した成分は,アセトアルデヒド,2-ノナノン,イソアミルアルコール,β-フェネチルアルコールであり,脂肪酸エステル間の相関は全体的に高い傾向が認められた。インダストリアルラムでr2>|0.5|の相関性を示す組数は,アグリコールラムより多く,更に,その係数は,すべて正であった。また,インダストリアルラムとアグリコールラムはサトウキビ由来の糖類から造られるものの,高い相関性を示す成分の組み合わせは異なっていた。本報告では,高い相関性を示す成分の全体的傾向を考察し,ラム酒ではr2>|0.9|の相関性を示す成分を主として取り上げた。