小麦ふすま(WB)をクエン酸水溶液中でオートクレーブ処理する酸加水分解と熱水洗浄により脱澱粉小麦ふすま(SFWB)を調製した。このSFWBを基質に麹菌の培養を行い,産生する酵素について2次元プロテオーム解析と各種酵素活性を比較した。SFWB培地における培養では,WB培養では認められなかったEndo-1,4-β-キシラナーゼA,アラビナナーゼ,Endo-1,3-β-グルカナーゼ,Exo-1,3-β-グルカナーゼ,β-グルコシダーゼといったヘミセルラーゼ,セルラーゼ系酵素の産生が確認された。アミラーゼ系酵素の生産が抑えられ,β-キシラナーゼ,β-キシロシダーゼの酵素活性が増加した。澱粉質のない小麦ふすま培養で,小麦ふすまヘミセルロースから誘導されるヘミセルラーゼ主体の酵素の生産を可能とした。