観光経路推薦では,訪問すべきスポットと巡回経路,また各スポットでどれだけ時間を費やすか予測する必要がある等,問題が複雑であり一般的な定式化や手法は十分に研究されていない.巡回セールスマン問題の拡張としての観光経路を求める問題の定式化は行われているが,スポット間の移動は最短経路を仮定しており,景観重視や,効率重視などといった,経路に対するユーザの嗜好は考慮していない.本論文ではスポットや道への好みという概念を一般化し,辺ベクトルを用いた定式化,および焼きなまし法による高速な近似解法を提案する.提案する定式化により局所最適化法を用いても近似解を得られるなどの利点が得られる.人工データおよびテーマパークの実データを用いた評価実験により提案手法の有効性を示す.