ソフトウェア開発企業の製品開発において,オープンソースソフトウェア(OSS)の品質に起因する製品品質の低下を回避するため,OSSの品質を事前に評価することが望ましい.本研究では,OSSの事前品質評価を企業に導入する際の知見,及び,課題を明らかにするために,富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社の開発プロジェクトで利用したOSSを対象に調査を行った.開発形態ごとに重要視する品質に差があるかについて,開発者にアンケート調査を行った結果,平均5項目について,開発形態の違いによって「重要視する」,「やや重要視する」と答えられた割合が20ポイント以上の差があった.開発形態ごとのアンケートを基に評価項目ごとに重みを設定し,OSS 6件に対して評価を行った結果,開発者が問題ありと評価したカテゴリのうち,本手法でリスクが高いと評価したカテゴリは7/12であった.