高周波数領域の測定限界をラジオ波領域である2 GHzまで広げた誘電損失測定系を開発し,沃化銀微粒子のイオン伝導度を初めて詳細に評価した.銀塩写真感光材料の熱現像システムにおいて,沃化銀微粒子は熱現像時に定着できることが見出されたことから,高感度化へむけてその物性が注目された.十四面体沃化銀微粒子の誘電損失応答は,臭化銀八面体粒子同様に2つのピーク成分を含んでいた.粒子のイオン伝導度を反映した低周波数側ピークから得られる沃化銀粒子のイオン伝導度の活性化エネルギーは,0.42 eVであり,この値から求めた表面ポテンシャルは,-0.18 eVであった.